妊娠前に葉酸サプリは必要なの?
葉酸の摂取は、先天異常の1つである神経管閉鎖障害の発症のリスクを低減する効果があるとのこと。
このことは、欧米諸外国の研究結果によって、明らかになっているんですって。
日本では二分脊椎の発症率が低かったので、今まで注目されていなかったのだそう。
しかし、平成11年度の厚生科学研究の結果によると、日本の二分脊椎の発症率が増加。
神経管閉鎖障害の出生頻度を見ると、国際的には減少傾向を示す中、日本は増加の傾向を示しているとのこと。
神経管閉鎖障害の赤ちゃんは、世界中に年間で30万人生まれているんだそう。
(2005年 国際先天異常監視研究機構のデータによる)
神経管閉鎖障害とは?
神経管閉鎖障害(しんけいかんへいさしょうがい)とは、脳や脊椎などの中枢神経に先天性の癒合不全があること。
神経管閉鎖障害の症状としては、「二分脊椎」と「無脳症」の2種類があるんだそう。
二分脊椎とは、生まれつきに脊椎の一部が形成されなかった状態。
一般的には、腰部の中央に腫瘤があることが多いとのこと。
何らかの神経障害を伴うとのことが多く、運動麻痺や感覚麻痺などの症状があるんだそう。
また、二分脊椎には合併症の恐れもあり、約7割の患者に「水頭症」に発生。
水頭症とは、脳内に脳脊髄液がたまり、脳が圧迫された症状のこと。
国際的に二分脊椎の発生率は増えているの?
二分脊椎の発生率が増えているのは、日本のみ。
日本では1万人に対して、約6人の割合で出生するとのこと。
しかし、カナダ・アメリカ・オーストラリアなどでは、二分脊椎の発生率が減少しているんですって。
研究により、二分脊椎の発生のリスクを持つ女性がわかってきているとのこと。
・過去に二分脊椎の赤ちゃんを妊娠したことがある女性
・3親等以内に二分脊椎がいる女性
この条件に合う女性は、遺伝子カウンセラーと相談して、医師から薬を処方してもらうのがいいんだそう。
この時に飲むのが、葉酸(フォリアミン錠、5mg)なのです。
葉酸を摂ると二分脊椎を予防できるの?
葉酸サプリメントを摂ると、神経管閉鎖障害の発生リスクは変化することがわかっているとのこと。
英国のデータによると、1日400μgの葉酸サプリメントを摂取した場合、神経管閉鎖障害の発生リスクが36%減少するとのこと。
医師から処方される葉酸5mgを摂取した場合は、発生リスクは85%まで減少することがわかっているんだそう。
しかし、国立保健医療科学院によると、「葉酸を摂っていれば、神経管閉鎖障害を完全に予防することができる」とは言いきれなんだそう。
神経管閉鎖障害の発生原因は、葉酸の摂取不足とそのほかの原因も考えられるとのこと。
それでも、葉酸不足による神経管閉鎖障害の発生リスクを抑えるためには、葉酸は効果を発揮すると考えられています。
少しでも神経管閉鎖障害の発生リスクを下げられるなら、積極的に葉酸を摂ることが有効なようです。